WKO5の実用的な使い方についてご説明します。
こちらの記事では
Functional Reserve Capacity
Dynamic Functional Reserve Capacity
について説明いたします。
FRC とは
Functional Reserve Capacity ( 以下 “FRC” ) とは、FTPを超える強度で動き続ける際に、疲労せずに動き続けることができるエネルギー量 (kjまたはkj/kg)を表わす数値になります。
※ WKO5 のトップ画面(右上)に表記されます。
こちらの数値は、男性と女性で異なりますが、以下のように区分されます。
高い 22.9kj 以上
普通 22.9kj – 13.5kj
低い 13.5kj 以下
※ 基本的な範囲 “9.0 – 35.1 kj” まで
高い 17.2kj 以上
普通 17.2kj – 9.2kj
低い 9.2kj以下
※ 範囲は “6.2 – 24.2kj” まで
FTPを超える強度で動き続ける場合、すなわち血中乳酸値4.0mmol/ℓに値する強度を超える強度で動き続ける場合は、代謝機能として有酸素性機構(aerobic)だけでなく無酸素性機構(Anaerobic)であるホスファゲン機構および解糖系が動員され始めますが、WKO5のPower Duration Curve (PDC)では、各時間帯強度の代謝機能を以下のように表しています※ 個人差あり
FRCの代謝回路について
Dynamic Functional Reserve Capacity (dFRC) in WKO5 より(公式)
Anaerobic Capacity can be defined as the maximal work performed during maximum-intensity, short-term (typically 30-90 seconds) physical effort, and it reflects the energy output capacity of anaerobic glycolysis.
個人的な指導経験では、この中でも”short-term (typically 30-90 seconds) physical effort (解糖系)” を刺激すること消費される血中グルコースおよび筋グリコーゲンの消費量の指標として見ることが重要かなと考えているため、解糖系を刺激するワークアウト実施時にはFRCの変動(dFRC)をよく確認し、最適なワークアウトが実施できているを確認します。
dFRCとは
Dynamic Functional Reserve Capacity (以下 “dFRC” )とは、FRCの残量を表した数値になります。WKO5を用いてその変動を説明したいと思います。
dFRCはFTPを超えるパワーを出すことで下降(疲労)し、FTPを超えないパワーで上昇(回復)していきます。
このdFRCの下降は、以下のような数式で求めることができます。
消費エネルギー (ジュール) = A : W(出力) × B : Second (秒)
A : mFTPを超えた出力
B : mFTPを超えた強度での時間時間
※ 上昇の数式は不明
イメージしやすいように、上記の数式と使用した計算と、実際に実施した際のパワーデータ(dFRCの変動)を載せておきます。
FTP 330w : FRC 25.0kj の選手の場合
400w で走行した時には、疲労せずに走り切ることができるのは約何秒か。
※ 実際のプロフィールはFRCは25.8kjだが、計算しやすいように25.0kj で求めます。【計算式】
25,000 j ÷ ( 運動強度 400w – FTP 330w ) = 360秒
答え : 360秒 ( 6分間 )
✔︎ ワークアウトが適切に行えていたか理解できる
指定出力および休息時間が適切だったの判断ができる。
✔︎ TTTの最適化ができる
チーム内でのFRCおよびFTPを理解することで、各能力に合わせた最適なペーシングを定量できる。
✔︎ ヒルクライムの戦略
勾配変化に合わせてどこまで強度をあげていいのか・どれくらい持続させることができるのかを理解することができる。※当方はペーシング指導時にBest Bike Sprit と掛け合わせて使用しています。
本記事のまとめ
FRC / dFRC を理解することで、効率的なインターバルを行うことができることに合わせて、レースやチームタイムトライアルなどを戦略を考えることができます。活用して効率的かつ効果的なトレーニングを行いましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。