トレーニングの考え方

ロードバイクのトレーニングの始め方
-1週間のメニューを考える-

こんにちは、自転車競技コーチのとおる( @toruito16 )です。

こちらのブログでは、ロードバイクのトレーニングについて解説しています。

ととまる
ととまる

ロードバイクでトレーニングを始めたいです。

 

トレーニングの始め方について教えてください。

以上のような、トレーニングの基本的な流れについてお答えします。

✔︎ この記事の内容
・ トレーニングを始める前の注意事項
・ トレーニングを進めるための考え方
・ 4つに分けた1週間のトレーニングプログラム

本記事で紹介するトレーニングプログラムは、トレーニングを実施する上での基礎基本となります。

自身のレベルに合わせて取り組むと同時に、どのように運動頻度・時間・強度を上げていく必要があるかを考えましょう。

参考となる、漸進性過負荷の法則についても確認することをオススメします。

トレーニングを始めるにあたって

ルーマニアの無料写真

より長い距離乗れるようになりたい

より速く走れるようになりたい

レースやイベント参加したい

など、さまざまな目的目標をもって、トレーニングを始めようと考える人も多いと思います。

しかし、自分にとってどんなトレーニングをすればいいのか、どのように取り組めばいいのかがわからないという方も多いと考えられるので、こちらの記事では自身の現状に合わせた方法をお伝えしていきたい思います。

その前に、以下のことに気を付けておきましょう。

毎日すればいいわけではない

トレーニング = 毎日行うもの と考える人が多いかもしれませんが、実はそうではありません。

確かに、プロ選手は毎日のように練習していますが、それは小さな積み重ねを経て毎日練習できるような体力が養われた結果です。

これからトレーニングを始める方の場合は、毎日トレーニングをしなくてはいけない、という考えはやめて、今のトレーニングスケジュールから1週間に1日から2日程度追加するようなイメージで取り組みましょう。

いきなり毎日継続しようとすると、精神的に疲弊し、その反動でトレーニングをパッと辞めてしまう人が多くいます。無理のない範囲で行うことが大切です。

毎回全力は無理

トレーニング = 常に高強度(全力) と考える人が多いかもしれませんが、そうではありません。プロ選手は高強度でトレーニングをおこなうこともありますが、週1〜2回程度が基本で、それ以外は中強度・低強度をうまく組み合わせながら取り組んでいます。

これからトレーニングを始める方の場合は、毎回高強度でなくてはいけないという考えはやめて、トレーニング習慣が身についてきたタイミングで1週間に1〜2日程度実施するようなイメージで取り組みましょう。

毎回高強度でトレーニングをおこなうと、膝や腰を痛めてしまう方もいますし、日常生活にも力が入らないというような脱力感を与えてしまいます。生活リズムに合わせて、メリハリをつけて行うことが大切です。

自分のペースで行うこと

SNS が発達し、自分以外がどんなトレーニングをおこなっているかを知ることができます。しかし、その影響でこの人はこれくらいやっている・自分はぜんぜん足りていないなど、他者と比較して自身の練習量の少なさに悲壮感を覚えてやる気が低下する人もいるでしょう。

人それぞれ、生活リズムや環境が異なりますし、ましてやレベル3の選手とレベル30の選手では、レベルアップするための取り組み方が異なります。他者の取り組みは参考程度に、自分にあった方法で前に進みましょう。

1週間のスケジュールを考える

本記事では、ケーススタディ方式でトレーニングのスケジュールを考えていきます。

以下のプロフィールのサイクリストがいたとします。

年齢 : 30代
性別 : 男性
職業 : 会社勤め – 土日祝休み
運動 : 土日のみ – スケジュールは以下の通り
※ 年齢や性別が異なっても、学生でもやることは変わりません。

こうした方がトレーニングを始める場合、どのようにステップアップをすればいいかをご紹介します。

今この記事を読んでくださっているあなたが、どのステップにいるのか確認しながら、自身にあった取り組み方を考えてみましょう。

Step.1 : 頻度を増やす

トレーニングを開始する場合は、まずは以下のように頻度を増やしましょう。

この時、1回の運動時間は30分程度にとどめ、運動強度も一定ペースで気持ちよく漕ぎ続けることができる程度にしましょう。※ 誰かと会話できる程度

いきなり運動頻度を増やしたり、運動時間または運動強度を高めてしまうと、ストレスになりすぎて継続できなくなってしまうケースがあるため、気をつけましょう。

平日のトレーニングは、仕事前または仕事を終えた後にすることを考えると、室内トレーニングをオススメしています。その中でも、あまり負荷をかけずにスキル習得につながる3本ローラーを活用することをオススメしています。※ もちろん実走でも大丈夫です。

まずは焦らずに、運動する習慣を身につけることが大切です。自分の生活リズムにあった方法で取り入れましょう。

【Step.1 の実施について】
・ 運動頻度を増やし、週3〜4回運動できるようにしましょう。
・ 平日は仕事に影響が出ないよう、30分程度にしましょう。
4週間継続できれば、Step.2 へと移行します。

 ✔︎ 3本ローラーのトレーニングについて

Step.2 : 頻度と時間を増やす

次に、運動時間の頻度を増やすと同時に、運動時間を増やしましょう。

運動頻度を増やす場合は、月曜日は土日の疲労があることや金曜日はトレーニングを連続してしまうことを考えると、疲労が蓄積されてしまうと考えられるため、水曜日にカラダを動かすことをオススメします。

また、30分程度としていた火曜日と木曜日の運動時間を、45〜60分程度に伸ばしてみましょう。この時の運動強度も、Step.1 と同様に気持ち良く漕ぎ続けることができる程度で大丈夫です。 

この段階ではインターバルトレーニングなどを導入する必要はありません。引き続き、運動する習慣を身につけることが大切です。

【 Step.2 の実施について】
・ 運動頻度を増やし、週4〜5回運動できるようにしましょう。
・ 少しずつ平日の運動時間を伸ばし、45〜60分程度にしましょう。
4週間継続できれば、Step.3 へと移行します。

Step.3 : 運動様式を考える

次に、運動頻度と時間を考えながら、運動様式(強度)を変えていきましょう。この Step.3 から本格的なトレーニングと言えるようになってきます。

ロングライドやエンデューロに挑戦したいと考える方に向けた内容になります。

平日に1回・土日に1回ずつ高強度のワークアウトを取り入れます。トレーニングのタイミングから考えると、水曜日・日曜日に実施することをお勧めしています。

高強度のワークアウト内容としては、インターバルトレーニングを採用するといいでしょう。

インターバルトレーニングにもさまざまな方法がありますが、興味のある方は以下のワークアウトの一例を参考にしてみてください。

水曜日と日曜日のワークアウトの一例を記入しておきます。
興味のある方は、以下のようなワークアウトを実施してみましょう。

水曜日のワークアウト (約60分程度)

10分間 : ウォームアップ
20分間 : 全力走行 ( 20分間ぎりぎり走れる強度 )
5分間 : 休息
10分間 : 全力走行 ( 10分間ぎりぎり走れる強度 )
10分間 : クールダウン

日曜日のワークアウト (走行中に以下を実施)

60分間サイクリングした後に実施
5分間 : 全力走行 ( 5分間ぎりぎり走れる強度 )
3分間 : 休息
5分間 : 全力走行 ( 5分間ぎりぎり走れる強度 )
3分間 : 休息
5分間 : 全力走行 ( 5分間ぎりぎり走れる強度 )
10分間 : 休息
10分間 : 全力走行 ( 10分間ぎりぎり走れる強度 )
10分間 : クールダウン

また、この Step.3 からアクティブレスト(カラダを動かしながら休養すること)を取り入れると同時に、ストレッチやフォームローラーを活用するなど、カラダのケアについても考える必要があります。

自身にあったトレーニングと共に、コンディショニングにも取り組みましょう。

【Step.3 の実施について】
・ 運動頻度を増やし、週4〜6回運動できるようにしましょう。
・ 運動様式を変えて、週1〜2回高強度のワークアウトをしましょう。
・ アクティブレストを取り入れるなど、カラダのケアを心がけましょう。
4〜8週間継続できれば、Step.4 へと移行します。

✔︎ コンディション管理として

Step.4 : トレーニングの最適化

最後に、ワークアウトの配列や様式を考えて、トレーニングの最適化を目指しましょう。

ここから、レースやイベントに参加したいと考える方に向けた内容になってきます。

ワークアウトのタイプを、高強度・中強度・低強度(回復)と分けるようにして実施してきます。

高強度は Step.3 と同様、平日に1日・土日に1回ずつとしながら、それ以外は中強度を採用しましょう。

興味のある方は以下のワークアウトの一例を参考にしてみてください。

火曜日と木曜日と土曜日のワークアウトの一例を記入しておきます。
興味のある方は、以下のようなワークアウトを実施してみましょう。

火曜日のワークアウト (約60分程度)

10分間 : ウォームアップ
30分間 : 一定走行 ( 会話できるかどうかの強度 )
5分間 : 休息
20分間 : 全力走行 ( 会話できるかどうかの強度 )
10分間 : クールダウン

木曜日のワークアウト (約60分程度)

10分間 : ウォームアップ
45分間 : 一定走行 ( 会話できるかどうかの強度 )
10分間 : クールダウン

土曜日のワークアウト (走行中に以下を実施)

10 – 20分間 : 登坂で走行 ( 会話できるかどうかの強度 )
10分間 : 休息
10 – 20分間 : 平坦で走行 ( 会話できるかどうかの強度 )
10分間 : クールダウン

トレーニングの強度が全体的に高くなるため、Step.3 同様にコンディショニングに気をつけるだけでなく、栄養にも気をつけるといいでしょう。

また、この段階からトレーニング時間や頻度を増やすことが難しくなってきます。そのため、心拍やパワーを活用したトレーニングをオススメしています。

自身の目的目標を考えたときに、必要だと考えた場合はパワートレーニングを始めてみましょう。

【 Step.4 の実施について 】
・ 運動様式を変えて、全体的に強度(質)を高めたワークアウトをしましょう。
・ アクティブレストだけでなく、栄養面からもコンディションを維持しましょう。
・ より質の高いトレーニングに取り組む場合は、パワートレーニングも考えましょう。
4〜8週間継続できれば、パワートレーニングをしてもいいと思います。

✔︎ パワートレーニングを始めるなら

 

本記事のまとめ

本記事では、これからトレーニングを始める方に向けて、1週間のトレーニングプログラムを参考に、各レベルに合わせて説明しました。

いくらトレーニングを頑張ろうと瞬間的に努力しても、継続できなければ意味がありません。継続できるように各レベルに合わせて、以下のことに気をつけながらトレーニングをおこないましょう。

【 継続できるように】

⚫︎ まずは頻度を意識しよう
: 週に何回トレーニングができるか・どのタイミングでトレーニングできるかを確認しよう
(無理のない範囲で取り組むこと)

⚫︎ 次に時間を意識しよう
: 1日にどれぐらいの時間を使うことができるかを確認しよう
(無理のない範囲で取り組むこと)

⚫︎ 最後に強度を意識しよう
: トレーニングの頻度・時間の習慣化できたら、徐々に運動強度を変えましょう。
(メリハリをつけること)

Step.4 までトレーニングを実施したのちに、パフォーマンスの伸び悩みを感じた場合にパワートレーニングを実施するといいとオススメしましたが、パワーメーターを活用したトレーニングプログラムを紹介しておりますので、興味のあるかたは以下の記事をご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

● この記事を書いた人
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